利益が残らない、エース社員を部長にしたらチームが回らない、役員の評価方針が割れる。三つの架空ケースで、最初の一手を選び、YSKG代表の考え方と比べられます。登録不要。
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経営の判断は、条件が変われば答えも変わります。ここでは三つの架空ケースを使って、私なら何を確認し、どう考えるかを紹介します。ご自身の考えと比べてみてください。
以下は説明用に作成した架空の会社・状況です。YSKGの顧客事例ではありません。
CASE 01売上は伸びているのに、利益が残らない。何から見ますか?
社員120人のIT企業。売上は前年より20%増えましたが、営業利益は減っています。部長は『人が足りない』と言い、人事は『評価制度を変えたい』と言う。現場からは、見積もりに入っていない追加対応が多いという声も出ています。来期の採用計画を決める前に、何を確認しますか?
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A. 採用を増やし、残業と外注を減らす
受注量に対して人員が不足し、残業や割高な外注が利益を圧迫しているなら、有力な選択です。ただ、採用した人の立ち上がりにも時間がかかります。追加対応を無償で引き受ける構造が残っていれば、人を増やしても利益が増えるとは限りません。まず、増員でどの費用がどれだけ変わるかを見たいところです。
B. 案件ごとの見積もりと実績を比べる
今回の情報では、私はここから確認します。どの案件で、どの作業が、見積もりを超えているのか。単価、工数、外注費、追加対応の条件を分けて見ます。赤字案件の担当者を責めるためではありません。受注時の判断と、その後の進め方のどこを変えるかを決めるためです。
C. 利益を重視する評価制度へ変える
売上だけを評価していて、採算を確認する人がいないなら、評価の見直しは必要です。ただ、本人が決められない価格や人員配置まで利益責任に含めると、不満が出ます。先に利益の計算方法と決定権限を整理し、そのうえで評価との関係を考えます。
私なら、ここを確認します
『人が足りない』も『制度が悪い』も、その可能性はあります。ただ、いま見えている現象だけで対策を決めたくはありません。私はまず、利益が減った理由を分けます。そのうえで、採用、価格、仕事の進め方、評価のどこに手を入れるかを考えます。
- 直近の主要案件で、見積工数と実績工数はどれだけ違うか
- 追加対応を有償にする判断を、誰がいつ行うか
- 増員した場合の費用と、減らせる残業・外注費は何か
次の経営会議でやってみること
次の経営会議には、採算が良い案件と悪い案件をそれぞれ2件持ち寄ってください。『何が違ったか』を、営業と現場で一緒に確認します。
CASE 02エース社員を部長にしたら、チームが回らなくなった。どうしますか?
社員80人の制作会社。売上をつくってきたエースを部長に登用しました。ところが、部下の判断待ちが増え、部長本人の残業も増えています。本人は重要顧客の担当を続けたままです。社長には『管理職に向いていなかったのでは』という迷いがあります。
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A. マネジメント研修を受けてもらう
面談や仕事の任せ方を学ぶ必要はあるかもしれません。ただ、重要顧客の対応で一日が埋まっているなら、研修で学んだことを試す余地がありません。本人の経験と、管理職の仕事に使える時間を分けて確認します。
B. 部長の仕事と、引き継ぐ仕事を決め直す
今回なら、私はここから始めます。部長として何を実現してほしいのか。そのために、今の仕事の何を減らすのか。部下に任せる判断と、社長に相談する判断も具体的にします。役職を付けただけでは、仕事の中身は変わりません。
C. 部長を交代させ、専門職として活躍してもらう
本人の志向や得意分野を考えれば、専門職として力を発揮する道もあります。ただ、役割も時間も与えていない段階で、適性がないと決めるのは早いと思います。何を期待し、どんな支援を行い、何が難しかったかを確認してから判断します。
私なら、ここを確認します
『管理職が育たない』というと、本人の能力に話が向きがちです。私は、その人に何を任せていて、何を任せていないのかも見ます。部長の仕事を求めるなら、部長として判断できる範囲と時間が必要です。
- 個人の売上とチームの成果を、どのように評価しているか
- 部長になってから、実際に手放した仕事は何か
- 部下が判断に迷ったとき、基準と相談先は決まっているか
次の経営会議でやってみること
部長の一週間の仕事を書き出し、本人が続ける仕事、引き継ぐ仕事、やめる仕事を社長と本人で決めます。最初は一つの仕事を引き継ぐところからで構いません。
CASE 03評価制度を変えたい。でも役員の意見が違う。どう進めますか?
社員180人のIT企業。営業担当役員は成果重視、開発担当役員は技術力とチームへの貢献を重視しています。社長は挑戦する人を増やしたいと考えています。人事は新しい評価シートを作りましたが、役員会で合意できず、導入時期だけが近づいています。
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A. 評価項目の配点を調整して折り合う
期待する役割が共有されていて、残る違いが重み付けだけなら、配点の調整で進められます。ただ、成果や貢献の意味が違ったまま数字を合わせても、評価時にまた意見が割れます。配点より前に、何を評価したいのかを具体例で確かめます。
B. 事業方針と、職種・役割ごとの期待を整理する
今回なら、私はこの順番にします。来期の事業で何を実現したいのか。そのために営業、開発、管理職に何を期待するのか。共通に見るものと、役割によって変えるものを分ければ、全員を一つの物差しに無理に当てはめずに済みます。
C. まず一部門で試してから全社へ広げる
評価のばらつきや説明の分かりにくさを確かめるには、試行が役立ちます。ただ、会社としての方針が決まっていなければ、何をもって試行成功とするかも曖昧になります。試す範囲と確認項目を決め、処遇に反映する前に検証する進め方が考えられます。
私なら、ここを確認します
評価制度の話は、会社が誰に何を期待するかという話でもあります。役員の意見が違うなら、シートの修正を繰り返す前に、その違いを話したいと思います。全員が同じ仕事をするわけではありません。共通の方針と、役割ごとの違いを両方扱うことが必要です。
- 事業方針を、各職種の仕事と成果に言い換えられるか
- 評価・昇格・報酬を決める際に、それぞれ何を判断しているか
- 実際の仕事の例で、役員同士の判断がどこで分かれるか
次の経営会議でやってみること
架空の社員の仕事ぶりを2〜3例用意し、各役員に評価と理由を出してもらいます。点数を平均する前に、理由の違いを確認してください。