管理職・マネジメント

管理職が育たない会社に共通する7つの特徴|研修より先に変える仕組み

執筆:山口 剛志(株式会社YSKG 代表取締役)

管理職が育たないとき、研修を追加する前に見たいことがあります。その人に何を任せ、どんな判断を経験してもらっているか。管理職の仕事をする時間はあるか。本人の学びと、会社側の任せ方を一緒に考えます。

管理職が育たない会社では、研修不足より前に「管理職として成長する仕組み」が不足していることが多くあります。研修で知識を得ても、仕事の与え方・評価・上司の関わり方が変わらなければ行動は元に戻ります。

図解:管理職が育たない7つの構造

原因 起きること 変えるべき仕組み
1. 役割不明 プレイヤー業務に戻る 管理職要件
2. 権限不足 何でも上司確認 権限マップ
3. 評価矛盾 個人売上を優先 評価制度
4. 育成経験不足 人を育てられない 1on1・OJT
5. 会議が報告会 判断力が育たない 会議体
6. 上司が答えを言う 自分で考えない コーチング
7. 挑戦機会不足 経験値が増えない ストレッチアサイン

1. 管理職の役割を先に定義する

研修内容は役割定義から逆算します。「何ができるようになるべきか」がないまま研修を選ぶと、学習が目的化します。

2. 実務課題と学習を接続する

研修で学んだ直後に、チームKPI設計、部下面談、採用面接、業務改善など実務課題を持たせます。

3. 1on1・360度評価・育成目標を連動させる

気づき→目標→実践→振り返りのサイクルにします。360度評価だけ、1on1だけを単独導入するより、行動変容につながりやすくなります。

4. “上司の上司”が管理職育成を担う

管理職本人だけに任せず、部長や役員が定期的にマネジメント課題をレビューします。

5. 評価にマネジメント成果を入れる

個人売上だけで評価される管理職は、自分で売る方を優先します。チーム成果、育成、離職、業務改善などを評価対象にします。

90日育成サイクル例

期間 内容
1〜30日 管理職要件の理解・自己診断・360/上司FB
31〜60日 実務テーマ設定・ストレッチアサイン
61〜90日 実践・1on1・成果レビュー・次課題設定

研修はこのサイクルの中の“インプット”として置く方が定着します。

YSKGのクライアントではどうだったか

※守秘義務の観点から、業種・規模・数値・時期など、事例の一部を特定できない形に一般化しています。

技術系企業で、研修単発から「育成サイクル」へ変更

ある技術系企業では、外部研修を受講させても「受けて終わり」になり、現場で使われたかを追えていないことが課題として挙がりました。YSKGでは、研修を育成そのものではなく、一つの手段として位置づけ直しました。

具体的には、育成目標を設定し、その達成手段として研修やOJTを置き、1on1で実践状況をフォローし、必要に応じて360度フィードバック等で変化を確認する流れです。既存の評価シートやExcelを活用し、現場負荷を増やしすぎない運用も提案しました。

よくある質問

Q1. このテーマに取り組むとき、最初に何から始めるべきですか?

管理職に期待する仕事と、本人が実際に使っている時間を並べてください。足りない知識と、仕事の分担や権限の問題を分けて考えます。

Q2. どのくらい作り込めば運用を始められますか?

身につけたい判断を一つ選び、実際に任せる仕事と、上司が振り返る日を決めれば始められます。研修を行う場合も、その後に試す仕事を用意します。

まとめ

管理職育成では、何を学んだかに加えて、何を自分で判断できるようになったかを見たいと思います。次に任せる仕事を一つ決め、実践と振り返りを重ねます。

YSKGへのご相談

管理職要件、研修、1on1、実務課題まで連動した育成設計が可能です。

YSKGは、経営支援、組織・人事コンサルティング、経営者・管理職育成を行っています。計画、役割、人事制度を実際の仕事に合わせて見直し、実行と運用まで支援します。

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山口 剛志株式会社YSKG 代表取締役

HRR株式会社(現 リクルートマネジメントソリューションズ)で人事コンサルティングに従事し、その後、事業会社で総務・人事部長、執行役員、取締役を経験。2019年にYSKGを設立。設立後は複数企業でCHRO、経営企画部長、コーポレート部長などを兼任し、経営と組織・人事の実務を支援。

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