CASE 01IT企業経営支援

組織再編後の役割・KPI・会議体をつなぎ直した支援事例

執筆:山口 剛志(株式会社YSKG 代表取締役)

あるIT企業では、事業の成長に合わせて組織を再編していました。しかし、予算管理や評価、会議の運用には旧組織の考え方が残っていました。YSKGは、新しい組織で誰が何に責任を持ち、どの指標を見て判断するかを整理しました。

※公開済みの匿名事例をもとに構成しています。企業を特定する情報は省略しています。

組織図と実際の運営が一致していませんでした

組織の形が変わっても、部門の責任や会議で扱う内容が変わらなければ、現場は以前と同じ判断を続けます。この企業でも、中期の成長目標と現場の動きが十分につながらず、マネージャー層が自ら案件をこなす業務に偏っていました。

必要だったのは、新しい部署名を周知することに加え、部門の成果責任を運用へ落とすことでした。

全社目標から部門の役割へ順番に整理しました

YSKGは、中期の目標を全社KGI、部門KPI、役割・責任、会議体の順に分解しました。指標は候補を並べるだけで終わらせず、実際の数値を入れてシミュレーションし、部門が行動を変えられる指標へ絞り込みました。

検討した接続 確認したこと
中期目標と全社KGI 全社として到達したい状態をどう測るか
全社KGIと部門KPI 各部門がどの要因を動かすか
指標と役割 誰が結果と対応に責任を持つか
役割と会議体 どの場で確認し、どの場で判断するか
経営方針と評価 役職ごとに成果の比重をどう置くか

表は取り組みの論点を整理したものです。実際の社内資料や固有の評価ウェイトは掲載していません。

会議ごとに扱う判断を分けました

経営会議と部門会議で、KPIの進捗、部門をまたぐ課題、経営判断が必要な事項を区分しました。各定例では、その日に決めることと次回までの宿題を確定し、意思決定の期限を意識して進行しました。

評価についても、役職ごとにKGIとKPIの比重を変える設計を検討しました。担当者が動かせる範囲と、上位役職に期待する全社への責任を、同じ比重で扱わないためです。

確認できた変化

公開事例では、中期計画を経営会議で継続的に更新する仕組みへ変えたことが示されています。組織再編を、指標や会議の運用まで含めて見直した取り組みです。

このページでは、組織再編後に役割、指標、会議をどう見直したかをご紹介しています。売上・利益の改善幅や、全社に定着するまでの期間は公表していません。

自社で同じ問題が起きていないか

新しい部門の責任者に「何を決められるか」「どの数字を動かすか」「どの会議に何を持ち込むか」を聞いてみてください。説明が揃わなければ、組織図の更新に運用が追いついていない可能性があります。

組織再編から時間が経っていても見直せますか

見直しは可能です。現在の実際の運用を起点に、役割と指標のずれを確認します。再編時の意図が今も妥当かも合わせて検討します。

評価制度まで同時に変更する必要がありますか

必ずしも同時ではありません。ただし、新しい役割と評価が矛盾していないかは確認します。変更の順番は影響と実行体制に応じて決めます。

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山口 剛志株式会社YSKG 代表取締役

HRR株式会社(現 リクルートマネジメントソリューションズ)で人事コンサルティングに従事し、その後、事業会社で総務・人事部長、執行役員、取締役を経験。2019年にYSKGを設立。設立後は複数企業でCHRO、経営企画部長、コーポレート部長などを兼任し、経営と組織・人事の実務を支援。

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