外部経営支援・伴走

経営企画を採用するか外部に依頼するか|成長企業の判断基準

執筆:山口 剛志(株式会社YSKG 代表取締役)

経営企画を採用するか、外部へ依頼するか。私は、先に必要な仕事を書き出したいと思います。日々の判断や調整が多いのか、一定期間で進めたい課題があるのか。その違いで、合う体制は変わります。

最初に考えたいのは、人を探す方法ではなく、経営者が現在抱えている仕事の中身です。

社長の仕事を三つに分ける

まず、社長が担う仕事を「経営者として決める」「判断材料を整える」「決まったことを進める」に分けます。経営企画に期待する仕事は、後者二つを中心に、社内の権限に応じて広がります。

重要な方針の決定まで暗黙に任せようとすると、着任者は判断できず、社長は「自走しない」と感じることがあります。何を決められる役割なのかを、採用でも外部依頼でも明確にします。

採用と外部活用と併用を比較する

判断軸 常勤採用が合いやすい状況 外部活用が合いやすい状況
仕事の量 日々継続して相当量の仕事がある 対象テーマと期間を区切れる
即時性 毎日の調整や即時対応が欠かせない 定例と共有ルールで進められる
必要な経験 自社内で長期に専門性を蓄積したい 特定の変革経験を必要としている
社内体制 着任者が実務を直接担う必要がある 社内の担当者と分担できる
役割の明確さ 職務と権限が定まっている 役割や仕組みの設計から支援が必要

これは一般的な比較軸です。外部人材の契約範囲や、採用する人の経験によって実際の対応力は異なります。

併用する場合は、社内担当者が数値管理と日常運用を担い、外部が論点整理や変革の進行を支える分担が考えられます。ただし、両者に同じ仕事を依頼すると、二重作業や責任の曖昧さが生まれます。

費用は同じ機能と期間で比較する

採用側では給与だけでなく、会社負担の費用、採用・受け入れにかかる負担、職務を立ち上げる時間を考えます。外部側では契約費、追加作業、社内に残る実務、引き継ぎの負担を考えます。

非常勤の契約額と、常勤者の年間給与をそのまま比べても、担える仕事量が違えば判断材料になりません。まず今後半年や一年で必要な仕事を書き出し、同じ範囲をどの体制で満たすかを比較します。

採用が決まるまでの外部活用も設計できる

外部活用を採用までの暫定体制にする場合は、最初から引き継ぐものを決めます。例えば、KPIの定義、経営会議の運営方法、未完了課題、関係者の役割です。

採用者が入った後は、一定の並走期間を設け、社内で資料を更新し、会議を進められるかを確認します。外部が詳細を抱えたまま終了すると、仕組みだけが残って動かなくなるためです。

YSKGのクライアントではどうだったか

ある経営者育成の資料では、経営者が方針や決裁を担い、管理担当者が数値、選択肢、段取りを整える分担を提示しました。事業計画、人事、経営会議といった領域ごとに、持ち主を確認するワークを用意しています。

ここで紹介しているのは役割分担の設計です。採用と外部活用の費用対効果を比べた事例ではありません。私が参考にしていただきたいのは、肩書を決める前に、任せる仕事を具体的にするという考え方です。

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依頼や採用の前に一枚にまとめる

項目 記入する内容
任せたい仕事 例 予実レビューと経営会議の運用
期待する変化 例 部門長が対応案を持ち込める
必要な関与 常時対応か、定例と非同期連絡か
渡す権限 調整できる範囲と決裁が必要な範囲
社内の協力者 データ、実行、経営判断の担当
見直し時期 任せた仕事と必要な体制を確認する日

これが書けない場合は、職務整理自体を支援の対象にするとよいでしょう。

よくあるご質問

社内の管理部長に兼務してもらう方法はありますか

あります。ただし、既存業務と両立できる時間、事業の数値を確認できる情報、部門間を調整する権限が必要です。兼務を決めるときには、減らす仕事も決めます。

外部を入れると社内担当者が育たなくなりませんか

作成と判断をすべて外部が担うと、その懸念があります。社内担当者が自分で更新・説明する機会を設け、外部の役割を段階的に変えることが重要です。

採用と外部活用を途中で切り替えられますか

切り替えは選択肢になります。契約条件と引き継ぎ期間を確認し、必要な資料と運用知識を社内に残す計画を立てます。

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YSKGへのご相談

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YSKGは、経営支援、組織・人事コンサルティング、経営者・管理職育成を行っています。計画、役割、人事制度を実際の仕事に合わせて見直し、実行と運用まで支援します。

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山口 剛志株式会社YSKG 代表取締役

HRR株式会社(現 リクルートマネジメントソリューションズ)で人事コンサルティングに従事し、その後、事業会社で総務・人事部長、執行役員、取締役を経験。2019年にYSKGを設立。設立後は複数企業でCHRO、経営企画部長、コーポレート部長などを兼任し、経営と組織・人事の実務を支援。

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