会議体・意思決定

会議で決まったことが実行されない会社の改善方法|決定管理の基本

執筆:山口 剛志(株式会社YSKG 代表取締役)

『それで進めましょう』と決めたあと、誰が何をすることになっていますか。会議で合意できても、その先の仕事が決まっていないと進みません。担当、期限、どこまでできたら完了かを、その場で確認したいと思います。

「会議では決まったのに、翌月また同じ話をしている」。この状態は、実行力の問題というより、決定を管理する仕組みの問題です。決定事項を“議事録の中に埋める”のではなく、独立した管理対象にする必要があります。

図解:決定が実行されるまでの5ステップ

ステップ 必要な情報 典型的な失敗
1. 決定 何を決めたか 表現が曖昧
2. オーナー 最終責任者1名 複数名にする
3. 期限 いつまでか 「早めに」
4. 完了条件 何をもって完了か 作業着手を完了扱い
5. フォロー 次回いつ確認するか 放置する

1. “ToDo”と“Decision”を分ける

「資料を作る」はToDoですが、「A案で進める」はDecisionです。意思決定の記録がないと、担当者が作業を始めても方向がぶれます。

2. オーナーは1人にする

実務担当が複数でも、結果責任を持つ人は1人にします。RACIを使う場合でもAccountableは1人が原則です。

3. 完了条件を決める

「制度案を作る」ではなく「役員3名が承認し、社員説明資料まで完成」のように、Doneの状態を定義します。

4. 期限を“意思決定の期限”と“作業の期限”に分ける

大きなテーマほど、最終期限だけでは進みません。中間レビューを入れ、早めに軌道修正します。

5. 次回会議の冒頭で必ず確認する

実行率を上げる最も簡単な方法は、次回の一番最初に前回決定事項を確認することです。できていない場合は、責めるより「障害は何か」「期限を変えるか」「優先順位を下げるか」を判断します。

決定管理表の例

No 決定事項 Owner Due 完了条件 Status
01 新採用枠2名を開始 人事責任者 9/20 JD公開・媒体掲載 進行中
02 新KPIを10月運用開始 事業部長 9/15 KPI表・会議フォーマット完成 未着手

実行率を下げる4つの原因

  • 決定文が曖昧
  • 責任者が複数
  • 完了条件がない
  • 次回フォローがない

YSKGのクライアントではどうだったか

※守秘義務の観点から、業種・規模・数値・時期など、事例の一部を特定できない形に一般化しています。

IT企業で、毎回の会議を「次の宿題」まで確定する場に

あるIT企業の変革プロジェクトでは、KPI、組織、会議体など複数テーマを短期間で決める必要がありました。YSKGでは、各定例で「今日決めること」と「次回までに誰が準備すること」を明確に分け、未決事項を持ち越す場合も論点と担当を残す運用にしました。

たとえば各部門が次回までにKPI案や重点施策案を持ち寄り、その場で全社方針との整合を確認するという進め方です。議事録を残すだけではなく、決定事項・宿題・期限を次回会議の入口にすることで、会議と会議の間に仕事が進む状態を作りました。

よくある質問

Q1. このテーマに取り組むとき、最初に何から始めるべきですか?

前回の決定事項を一つ選び、担当者、期限、完了した状態が記録されているかを見てください。曖昧なところを担当者と確認します。

Q2. どのくらい作り込めば運用を始められますか?

一覧に、決定内容・担当・期限・完了条件・次の確認日があれば始められます。他の人の判断待ちになる仕事は、その相手と必要な日も書きます。

まとめ

進んでいない仕事を見つけたら、私は『なぜやらないのか』だけで終わらせたくありません。進めるために何が必要かを確認し、その場で分担や期限を決め直します。

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YSKGは、経営支援、組織・人事コンサルティング、経営者・管理職育成を行っています。計画、役割、人事制度を実際の仕事に合わせて見直し、実行と運用まで支援します。

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山口 剛志株式会社YSKG 代表取締役

HRR株式会社(現 リクルートマネジメントソリューションズ)で人事コンサルティングに従事し、その後、事業会社で総務・人事部長、執行役員、取締役を経験。2019年にYSKGを設立。設立後は複数企業でCHRO、経営企画部長、コーポレート部長などを兼任し、経営と組織・人事の実務を支援。

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