事業推進・KPI・管理会計

KPI会議が「数字の報告会」になる原因|成果につながるレビュー会議の進め方

執筆:山口 剛志(株式会社YSKG 代表取締役)

数字の説明を聞いて、会議が終わる。翌月も同じ説明になる。そうなっているなら、何を決める会議なのかを見直したいところです。私は、目標との差、考えられる理由、次に変えることを順に確認します。

数字を確認したあと、何を変えるかまで話せているでしょうか。私は、目標との差、原因の仮説、次の行動を順に扱う場にしたいと考えています。

図解:60分のKPI会議モデル

時間 やること やらないこと
0〜10分 赤・黄のKPIだけ確認 全数字の読み上げ
10〜30分 差分原因を特定 長い背景説明
30〜50分 打ち手を比較・決定 アイデア出しだけで終了
50〜60分 担当・期限・次回確認 「各自お願いします」で終了

1. 会議前に数字を読む

資料は前日までに共有し、会議中の説明時間を減らします。定例会議で初めて数字を見る状態では、議論に入るまでに時間がかかります。

2. 全KPIではなく“異常値”に集中する

目標通り進んでいる指標は短く扱い、悪化・改善・大きな変化があった指標だけ深掘りします。

3. 「事実→原因仮説→打ち手」の順で議論する

事実と解釈を混ぜないことが重要です。「商談数が20%減った」が事実、「市場が悪い」は仮説です。原因を決めつけず、検証可能な打ち手へつなげます。

4. KPIごとに意思決定ルールを持つ

たとえば「受注率20%未満が2週続いたら提案レビューを実施」「採用充足率70%未満なら媒体配分を見直す」のように、閾値をルール化すると会議が速くなります。

5. 決定事項を次回の冒頭で追う

KPI会議の品質は、決めたことが実行されたかで決まります。ToDo一覧は別紙ではなく会議資料の最上段に置き、次回必ず確認します。

KPI会議の1ページフォーマット

KPI 目標 実績 差分 原因仮説 次の打ち手 担当 期限
商談数 40 31 -9 新規接触不足 重点100社に再アプローチ 営業Mgr 9/15
受注率 30% 27% -3pt 提案品質 失注5件レビュー 部長 9/12

会議が報告会になっているサイン

  • 数字を順番に読み上げている
  • 発言時間の大半が担当者の説明
  • 会議後に決定事項が3つ以上言えない
  • 次回、同じ話をしている

YSKGのクライアントではどうだったか

※守秘義務の観点から、業種・規模・数値・時期など、事例の一部を特定できない形に一般化しています。

IT企業で、KPI会議を「差分の処理」に変えた

あるIT企業では、新しいKGI・KPIを設計するだけでなく、それを経営会議・部門会議でどう扱うかまでYSKGが一緒に設計しました。数字を読み上げるだけではなく、目標との差、原因仮説、次のアクション、必要な経営判断を会議で確認する前提に変えています。

また、KPIは項目が増えるほど報告会になりやすいため、戦略的に重要な項目へ重みを持たせ、不要な評価項目は減らしました。会議の目的を「数字を説明すること」から「差分を処理し、次の行動を決めること」へ変えることが、KPIを機能させるポイントになりました。

よくある質問

Q1. このテーマに取り組むとき、最初に何から始めるべきですか?

直近の会議資料を見て、数字の報告のあとに何が決まったかを確認します。決まったことが見つからなければ、次回は一つの指標に絞り、対応案を持ち寄ってみてください。

Q2. どのくらい作り込めば運用を始められますか?

目標・実績・差・原因の仮説・対応案・担当・期限があれば始められます。複雑なダッシュボードをつくる前に、今の資料に不足する欄を足して試せます。

まとめ

会議の終わりに『前回から何を変えるか』を確認する。私は、まずここを揃えたいと思います。次回は、その行動を実施したかと、数字や現場にどんな変化があったかを見ます。

YSKGへのご相談

KPIダッシュボードと会議アジェンダをセットで再設計する支援が可能です。

YSKGは、経営支援、組織・人事コンサルティング、経営者・管理職育成を行っています。計画、役割、人事制度を実際の仕事に合わせて見直し、実行と運用まで支援します。

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山口 剛志株式会社YSKG 代表取締役

HRR株式会社(現 リクルートマネジメントソリューションズ)で人事コンサルティングに従事し、その後、事業会社で総務・人事部長、執行役員、取締役を経験。2019年にYSKGを設立。設立後は複数企業でCHRO、経営企画部長、コーポレート部長などを兼任し、経営と組織・人事の実務を支援。

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