CASE 04メーカー組織人事コンサルティング

人事制度の転換に向け評価と昇格と配置の論点を整理した支援事例

執筆:山口 剛志(株式会社YSKG 代表取締役)

ある企業の人事制度設計では、役割を基準にした制度への転換に向け、現行制度の運用を先に見直す論点を整理しました。YSKGは、会議用資料の修正、意思決定に向けた説明の準備、今後の検討事項の整理を支援しました。

※支援記録をもとに匿名化しています。ここで紹介するのは検討・設計段階の取り組みです。制度導入後の効果を示すものではありません。

評価結果と役割の変更が結びついていました

検討では、低い評価をつけることが役割や等級の変更に直結する運用が、評価者の判断を難しくしている点が論点になりました。評価者が処遇への影響を強く意識すると、実際の成果や行動の評価が曖昧になる可能性があります。

そこで、一定期間の評価と、担う役割の変更を、どのような基準と手続きで扱うかを分けて考えました。説明資料についても、評価結果が昇給・賞与に関わることと、昇格の判断を混同しない表現へ調整しました。

制度名ではなく判断ごとのルールを整理しました

論点 検討した方向性
評価と役割変更 評価結果と役割変更を機械的に直結させず、別の判断プロセスを整理する
評価の時期と配点 事業年度との関係や、挑戦を扱う評価設計を検討する
昇格 要件を明文化し、応募や推薦の仕組みを検討する
管理職を離れた後 専門職や後進支援など、次の役割と配置を検討する
等級の役割定義 各等級に期待する役割を具体化し、配置との整合を確認する

上記は記録時点の検討内容です。すべてが確定・導入済みであることを意味しません。

経営層が説明する役割を明確にしました

制度変更では、社員が何を期待され、何が変わるかを説明する必要があります。その説明を人事部門だけに任せると、経営としての目的が伝わりにくくなります。

この取り組みでは、経営層が主体的にメッセージを発信し、関与する重要性を説明に盛り込みました。会議当日の説明担当と補足説明の役割を分け、質疑を経て合意を得る進行を準備しました。

段階的な移行の論点を整理しました

新制度への転換に向けて、まず現行制度の運用を見直し、その後の詳細設計につなげる方向性を整理しました。役割定義、評価基準、配置ルール、関連規程など、次に検討する項目を明確にしています。

確認できる到達点は、説明資料と検討項目、意思決定に向けた進め方が整理されたことです。制度の承認、施行、社員の納得度向上などは、この原稿の根拠とした記録だけでは確認していません。

この事例から考えられること

人事制度を見直す際は、現在の評価が何に使われているかを書き出すと、混同されている判断が見つかります。評価、昇格、役割変更、報酬の変更を整理すると、どこから改定すべきかを考えやすくなります。

役割等級制度へ変えれば問題は解決しますか

制度の名称だけでは解決しません。役割の定義、実際の配置、評価運用、報酬との関係を具体化する必要があります。自社に適した制度かを検討することから始めます。

全体設計より運用変更を先行させてよいですか

先行する変更が将来の制度と矛盾しないかを確認したうえで検討します。影響を受ける社員への説明や、必要な手続きも整理して進めます。

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山口 剛志株式会社YSKG 代表取締役

リクルートマネジメントソリューションズで人事コンサルティングに従事した後、事業会社で人事部長・執行役員・取締役・CHRO・経営企画部長を歴任。2019年に株式会社YSKGを設立。事業推進と組織人事の両面から、月次の伴走型で成長企業の経営を支援している。

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